イギリス人技師、ヘンリー・ブラントンの設計・施工監督のもと明治7年(1874)に点灯された西洋型第一等灯台です。犬吠埼の先端に立つ美しい白亜の灯台は、銚子のシンボルとして市民や観光客から親しまれています。
濃霧が発生しやすい銚子沖で、視界不良時に音で犬吠埼の方角を船舶に知らせるための施設として、明治43年(1910)に建設されました。壁から天井に至るまですべて鉄製で、かまぼこ形の屋根と、屋根から突き出したラッパが特徴的です。また、八幡製鉄所製鋼材を使用した建造物である可能性が高く、現存する最古のものであると考えられています。
明治7年(1874)に灯台と同時に建設されました。灯台及び旧霧笛舎とともに犬吠埼灯台を構成する建造物です。
房総半島東北端に位置する犬吠埼の先端に立つ灯台です。
令和2年(2020)12月23日に重要文化財に指定されました。
犬吠埼灯台は、明治政府がイギリスから招聘した技師、ヘンリー・ブラントンの設計、施工監督のもと明治7年(1874)に点灯されました。ほぼ円筒形をした煉瓦造の灯台で、上部に鉄製の灯室と青銅製の灯籠を設け、総高31メートル、煉瓦壁を二重にして耐震性を高めています。
灯台は、香取郡高岡村(現:成田市高岡)産の原料を使用した約19万枚の煉瓦で造られ、我が国で洋式灯台の建設が本格化した明治初期に建設され、現在も利用されている灯台のひとつです。
平成10年度「日本の灯台50選」(海上保安庁)、平成20年度「近代化産業遺産」(経済産業省)にも選定され、また、「灯台施設調査委員会」(委員長 東京大学 松村貞次郎名誉教授)が実施しました。明治期に建設された灯台を保全し、後世へ継承するための調査(昭和60年から62年)が行われ、この調査で明治期灯台保全評価Aランクに指定されています。
房総半島東北端に位置する犬吠埼の先端に、灯台とともに建っています。令和2年(2020)12月23日に、犬吠埼灯台を構成する建造物のひとつとして重要文化財に指定されました。
暖流と寒流が交わることで濃霧が発生しやすいこの地域で、視界不良時に音で犬吠埼の方角を船舶に知らせるための施設として、明治43年(1910)に建設されました。
霧深い日には、「ヴォーッヴォーッ」という音を銚子沖と銚子のまちに鳴り響かせていましたが、航海計器の発達・普及により、平成20年(2008)3月に霧信号所(きりしんごうしょ)としての役割を終えました。
壁から天井に至るまですべて鉄製で、かまぼこ形の屋根と、屋根から突き出したラッパが特徴的です。鉄造でかまぼこ形の屋根を持つのは、明治後期の霧笛舎特有の形式で、犬吠埼の霧笛舎はその形式を備えた現存唯一のものです。
同じ形式を持つ霧笛舎の中でも床面積において最大規模であったことがわかっており、かつ左右対称に配置された窓などデザイン的にも完成形と言えます。
また、官営八幡製鉄所(かんえいやはたせいてつじょ)製の鋼材を使用した可能性がきわめて高く、現存する最古の国産鉄材を使用した建造物である、という点においても日本の近代化の一面を示す施設として大変価値の高い建造物です。
房総半島東北端に位置する犬吠埼の先端に、灯台とともに建つ。令和2年(2020)12月23日に犬吠埼灯台を構成する建造物のひとつとして重要文化財に指定されました。
煉瓦造 桟瓦葺で、煉瓦壁は内部、外部ともモルタル塗りの上に白色ペンキ塗り仕上げとしています。平成14年(2002)に倉庫から見学者用休憩所に改修されましたが、煉瓦造の躯体と木造の小屋組は竣工当時のまま現存しています。