現在、法に基づき、対象となるハンセン病元患者家族の方々に国が補償金を支給してします。
かつての国の誤った強制隔離政策により、ハンセン病患者・元患者とその家族は、長年にわたり差別や偏見に苦しみました。隔離政策が終わった現在も、差別や偏見は根深く残っており、苦しみは続いています。
差別や偏見をなくすために、私たち一人ひとりが、ハンセン病問題について正しく理解し、問題の解決のために努力していくことが大切です。
2019年に制定された「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律」に基づき、対象となる方に、国から補償金が支給されます。請求期限は2029年11月21日までです。
この補償金は、誤った隔離政策により、ハンセン病元患者家族に多大の苦痛と苦難を強いてきたことを心からお詫びし、その精神的苦痛を慰謝するためのものです。
詳細は、厚生労働省のホームページをご確認ください。

ハンセン病は、「らい菌」という細菌による感染症の一種です。
かつては「らい病」と呼ばれていましたが、差別的なイメージがつきまとうことから、現在はらい菌を発見したアルマウル・ハンセン医師にちなんで「ハンセン病」と呼ばれています。
らい菌は感染力が弱く、非常にうつりにくく、感染したとしても発病するのはまれです。現代の日本において、感染源になる人はほとんどいません。また、遺伝することもありません。
発病すると、主に末梢神経や皮膚がおかされ、感覚障害がおこり、温度や痛みを感じなくなります。有効な治療法が確立されていなかった時代には、体の一部が変形するといった後遺症が残ることがありましたが、現代では、早期の適切な治療により後遺症を残さず完治する病気です。
日本では、1931年に「癩予防法」が制定され、すべてのハンセン病患者を全国各地の療養所に強制的に収容し、社会から隔離する政策がとられました。
ハンセン病患者は、生涯療養所の外に出ることができない、結婚しても子どもを産むことを許されないなど、人権を著しく侵害されました。また、その家族も、やむを得ず患者との縁を切ったり、家族であることを隠しての生活を強いられるなど、差別や偏見に苦しめられました。
隔離政策は有効な治療薬が開発された後も続き、「癩予防法」を引き継いだ「らい予防法」は、1996年にようやく廃止されました。
しかし、長年の差別や偏見は今も残り、元患者とその家族を苦しめています。
