たばこには、ニコチン・タール・一酸化炭素など数多くの有害物質が含まれています。有害物質は肺がんなど多くのがんの危険性を高めるだけではなく、口の中や肺から吸収され全身に広がるため、循環器疾患(脳卒中・心臓病など)、糖尿病、慢性呼吸器疾患などさまざまな病気を引き起こします。
喫煙者が吐き出した煙や、火のついたたばこから出る煙を周りの人が吸う事を「受動喫煙」といい、「二次喫煙」とも言われます。また、たばこを消した後の部屋や、衣服などに残った有害物質を間接的に吸ってしまうことを、「三次喫煙(サードスモーク)」といいこれも同様の危険性があります。部屋で過ごす時間が長い乳幼児などでは、三次喫煙による影響が懸念されるため、注意が必要です。たばこを吸わない方も、たばこが及ぼす健康への影響について知っておきましょう。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、たばこの煙を主とする有害物質によって生じた肺の病気です。たばこの煙を吸うことで肺の中に炎症がおきて、せきやたんが出たり、息がしにくくなったりします。また、肺の機能が低下し重症化すると、他の呼吸器疾患を発症する恐れがあり、受動喫煙もCOPDの危険因子のひとつです。
病状初期は自覚症状に乏しいケースが多いこと、咳や息切れ等の症状を風邪や年齢 のせいと勘違いしやすいことから、多くの方が受診に至っていない可能性があるとされています。喫煙習慣がある方(過去の喫煙習慣を含む)は定期的に、 長期間続く咳や痰・動作時の息切れ等が気になる方は 早めに病院で検査を受けましょう。