障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されます

【主な改正点】

1. 国および地方公共団体の連携協力の責務の追加
2. 事業者による社会的障壁の除去の実施に係る必要かつ合理的配慮の提供の義務化
3. 障害を理由とする差別を解消するための支援措置の強化

【障害者】
本法における「障害者」とは、障害者手帳を持っている人のことだけではありません。
身体障害のある人、知的障害のある人、精神障害のある人（発達障害や高次脳機能障害のある人も含まれます）、その他心や体のはたらきに障害（難病等に起因する障害も含まれます）がある人で、障害や社会の中にあるバリアによって、日常生活や社会生活に相当な制限を受けている人全てが対象です（障害のある子どもも含まれます）。

【事業者】
本法における「事業者」とは、商業その他の事業を行う企業や団体、店舗であり、目的の営利・非営利、個人・法人の別を問わず、同じサービス等を反復継続する意思をもって行う者となります。
個人事業主やボランティア活動をするグループなども「事業者」に入ります。

【分野】
教育、医療、福祉、公共交通等、日常生活及び社会生活全般に係る分野が広く対象となります。

行政や事業者の責務

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合理的配慮とは、障害のある人から社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としている意思を伝えられたとき、負担が重すぎない範囲で対応する配慮のことをいいます。

• 車いすの人が出入り口の段差で通行が難しい場合、段差の乗り越えをサポートする。
• 視覚障害のある人のために、文字の拡大や読み上げなどを行う。
• 聴覚障害のある人のために、筆談や読み上げ、手話などで意思の疎通を図る。
• 知的障害のある人のために、フリガナのある文章や写真、イラストなど分かりやすい表現を使う。

不当な差別的取り扱いとは、障害のある人に対して「正当な理由」がなく「障害がある」という理由だけで、サービスや各種機会の提供を拒否したり、提供する場所や時間帯などを制限したりするといった「障害のない人と異なる取扱い」をすることで、障害のある人の権利や利益の侵害するものとして禁止されています。

• 業務に支障がないにもかかわらず、障害のある人とない人を違う場所で応対する。
• 障害者に対する言葉づかいや接客態度などの質を一律に下げる。
• 具体的な場面や状況を検討しないで、障害者に対して一律に保護者や介助者などの同伴をサービスの利用条件とする。