海藻は種類が多く、主なものは緑藻、褐藻、紅藻に分けられます。これらは花が咲かず種子のできない植物です。これとは別に、陸上の植物と同様に根、茎、葉の区物があり、花が咲き種子ができるものがあります。スガモやアマモなどで、これらは「海草」とされます。銚子の磯は狭いながら海藻の種類は多いところといわれます。暖流系の種類が多いのですが、マツモやスガモなど寒流系のものも見られます。
磯は岩盤や大小の岩が集っている海岸です。
潮が満ちると大部分が海に沈み、潮が引くと陸のように現れますが、その範囲を潮間帯といいます。
潮間帯は豊富な生物のすみかで、潮が引いたときの磯の潮だまり(タイドプール)は観察に面白いところです。
潮間帯の上部ほど干潮のとき空気にさらされる時間が長くて温度の変化も大きく、下部ほどその逆になります。
そのような条件によって、潮間帯の上部から下部にかけて付着する生物の種類や生活が変わります。
これを磯の生物の垂直分布といいます。
殻状の体をしている。
食用にされる。乾燥すると黒くなる。
寒流系で銚子が分布の南限である。
コンブの仲間。食用にしている地方もある。
体は長く、空気の入った袋をもつ。
干潮のときに広々と現れる平らな磯を平磯といいます。
犬吠埼の長崎から外川にかけては平磯が続きます。
観察にはよいところですが、沖の岩まで行こうとするのは危険です。
下の画像は、外川の平磯。
体は羽のような形。
体は膜状、大小の穴がある。アオノリの代用にされることもある。
寒流系で、房総半島が分布の南限。
海藻こんにゃくの原料(銚子での商品名:本海そう)。
海藻こんにゃくの原料(銚子での商品名:新海そう)。
食用にされる(銚子での商品名:ノゲノリ)。
犬吠埼の磯にはたくさんの動物がいます。岩につく動物は、同じく岩につく海藻の少ないところで多く見られます。アラレタマキビやベッコウザラガイのように微小な海藻を餌にしているものもいます。岩の上のほう、飛沫帯、タイドプール、転石の下、岩の陰など、場所ごとにさまざまな種類が観察されます。
岩の上のほうにいて海水につかることを嫌う。
皿のような貝殻。岩に張りつく。
甲殻類とは思えない形をしている。
クロフジツボ(大形)とイワフジツボ(小形)。カメノテ同様に甲殻類とは思えない形。
環境ホルモンの影響が指摘された貝。地元ではトンガラシベーボという。
潮間帯下部の岩についている。
帰化種のムラサキイガイ(ムールガイ)に似ている。
岩陰に張りついている。
体の色には変化がある。
岩の陰で見られるイソギンチャク。
表面に貝殻はないが巻き貝の仲間、ウミウシとも呼ばれる。右の卵塊はウミゾウメンと呼ばれる。
カニも種類が多い。これは普通に見られるカニ。
体に小砂利をまとってよろいのようだ。
犬吠埼にいる2種類。キタムラサキウニ(下)は寒流系のウニ。