6月議会の開会にあたり、ごあいさつを申し上げます。
間もなく梅雨入りの時期を迎えますが、銚子漁港に揚がるイワシが、1年のうちでもっとも脂がのっていて美味しい「入梅イワシ」の季節でもあります。6月2日には、新造船「第十一きんせい丸」のお披露目式が第三市場で行われ、餅撒きや鳴物演奏に歓声が上がり、市民・関係者の祝福に包まれました。豊漁と水揚げ日本一奪還に期待します。
銚子市の大きな課題は少子化です。
4月に人口戦略会議が発表した分析レポートでは、全国1729の自治体のうち、744の自治体が消滅可能性自治体と分析されました。出産の中心世代となる20歳から39歳の女性が2020年から50年にかけて50%以上減る自治体を「消滅可能性自治体」と定義し、この中でも、人口構造から「特に深刻」とされる23自治体の中に銚子市が入っています。
出産年齢層の女性のデータだけで持続性を計るのは一面的との指摘もあり、全国町村会は「人口減少に対応する自治体の努力や取り組みに水を差すものだ」と反論しています。全国の知事からも「人口減少は地方の問題ではなく、東京圏に若い世代が吸い寄せられる構造に問題があり是正することが肝要」「人口が減る中で近隣の自治体で人口を取り合うのでは意味がない」「国全体の取組として運動を起こすべきだ」といった声も上がっています。
今回の分析を過度に悲観したり楽観したりすることなく、子育てファーストの努力を続けてまいります。一昨年設置した「銚子市子ども未来基金」などを原資として、今年度は子どもたちの給食費の無償化を実現しました。
基金を確保するため、ふるさと納税の拡大を図っていますが、令和5年度のふるさと納税寄付額は7億円を突破しました。令和4年度の寄付額は2億9千万円でしたので、2.4倍に増加したことになります。今年度のふるさと納税は、4月と5月の2か月ですでに1億4千万円の寄付申込みをいただいています。令和4年度の同時期と比較して5.6倍に伸びており、このペースで推移すれば、今年度のふるさと納税額は16.4億円になります。参加する返礼品事業者も増えており、ふるさと納税事業を地場産品の販路拡大、地域産業の活性化や雇用の拡大につなげてまいります。
千葉科学大学公立大学法人化検討委員会は、これまで2回の委員会が開かれ、千葉科学大学の現状とこれまでの取組、千葉科学大学を取り巻く環境、千葉科学大学誘致の検証などについて活発な意見をいただきました。
6月30日には3回目の委員会が開催されます。財務シミュレーションのほか、地元高校生の進学意向アンケートを実施し、取りまとめができしだい検討委員会に提示する予定です。
専門的知見から十分なご議論をいただき、8月までに答申をいただく予定です。
犬吠埼灯台は11月、明治7年の初点灯から150周年を迎えます。150歳の誕生日を市民とともにお祝いし、犬吠埼灯台の魅力を国内外に向けて発信するため、「犬吠埼灯台150周年記念 灯台ワールドサミットin銚子」を11月16日と17日に開催します。灯台の立地する自治体の首長をはじめ、多くの灯台関係者にお越しいただく予定です。
5月28日には、銚子市、銚子海上保安部、犬吠埼ブラントン会など14団体で構成する「犬吠埼灯台150周年記念 灯台ワールドサミットin銚子実行委員会」を立ち上げ、サミットの開催に向けた準備に着手いたしました。
今後は、犬吠埼灯台に関するワークショップや体験型イベント、音楽会などを開催し、サミットに向けた祝福ムードを高めてまいります。
銚子水産観光株式会社から銚子市へ無償譲渡の要望があったウオッセ21は、3月18日から5月31日まで、広く民間事業者の事業提案を募集したところ、1事業者から応募がありました。現在は、提案内容の審査、提案事業者とのヒアリングを実施し、事業の実現可能性などを精査しているところです。
今後、事業方針がまとまりしだい、議員の皆さまに説明させていただきます。
地域おこし協力隊は、6月1日現在、20名の隊員が活動しており、そのうち、新たな取り組みである民間企業で活動する隊員は5名となりました。隊員の皆さんへのサポート体制を充実させ、隊員の活動内容を広く市民に知っていただくため、広報ちょうしの特集ページでの周知、市民向けの隊員活動報告会などを検討してまいります。
今議会には、12議案を提案させていただきます。
慎重審議をお願いし、あいさつとします。
令和6年6月6日 越川信一