令和5年9月銚子市議会定例会の開会にあたり、ごあいさつを申し上げます。
新型コロナの5類移行後はじめての夏を迎え、4年ぶりに銚子みなとまつりが開催されました。市制90周年を記念する利根河畔の花火大会には、7万人の方が訪れ、夏の夜空を彩る1万発の花火を楽しみ、ふるさと銚子の素晴らしさを実感しました。
8月24日、福島第一原発の処理水の海洋放出が始まりました。中国は日本の水産物を禁輸とし、根拠のない噂を喧伝し、銚子市の水産業や観光業への影響が懸念されます。
政府は輸出や販路の拡大、国内需要の喚起、学校給食への国産水産物の使用などを打ち出していますが、国の責任において処理水の放出を決定した以上は、あらゆる政策を総動員して、風評被害対策を実施していくべきだと考えます。
銚子市としても国の風評対策や事業者への支援策を把握しながら、事業者相談や制度紹介、国・県・東電など関係機関への取り次ぎを行ってまいります。風評に惑わされることなく、銚子の魚の安心・安全、おいしさを発信してまいります。
千葉県と協力しながら対策を講じ、国に対しては、責任を持って漁業者との理解構築と、風評被害に対処していただくことを、強く求めていきたいと思います。
7月に成田市で行われた「第42回千葉県スポーツ少年団サッカー交流大会」で、「銚子サッカースポーツ少年団(銚子SSS)」が参加28チームの頂点に立ち、県大会優勝を果たしました。県内各地の強豪チームがひしめく中、銚子のチームの優勝は、42回の大会で、初めての快挙です。
選手を支えた監督、コーチ、そして保護者の皆様にお祝いと感謝を申し上げるとともに、選手の皆さんには、これからも練習に励んでいただき、夢と希望を持って、成長されることを願っています。
友好交流都市協定を締結した台湾桃園市から招待を受け、8月10日に桃園市長を表敬訪問し、世界で初めての開催となる「世界客家博覧会」に、千葉県や成田市とともに参加しました。「世界客家博覧会」は客家民族の祭典であり、国際的な一大イベントです。「銚子はね太鼓保存会」が日本の地域伝統芸能を紹介するため、千葉県を代表してメインステージで演舞を披露しました。日本以外にもアメリカ、オーストラリア、韓国などの各国から友好都市の関係者が訪れ、大いに賑わいをみせました。台湾文化に触れる大変良い機会となりました。
9月29日から10月3日まで、桃園市チャイニーズオーケストラが千葉県を訪問し、コンサートを行います。東総文化会館で行われるコンサートには私も出席させていただく予定です。11月には桃園市の小学生が清水小学校を訪れ、クラス交流が行われる予定です。
桃園市とはこれまでも、灯台や洋上風力発電などで相互に交流を図ってきました。今後も文化・芸術・スポーツ・経済・教育など幅広い分野で、積極的に交流を進めてまいります。インバウンド観光の活性化にも期待します。
先月、北海道の白糠町を訪問しました。銚子市では、昨年度「ふるさと納税推進ビジョン」を策定し、令和7年度に寄付額10億円達成という目標を定めました。目標の達成に向け、先進事例を学ぶためのものです。白糠町は令和4年度の寄付額が全国第4位の自治体です。人口7,200人の町がどのように148億円の寄付を集めたのか、町長をはじめ関係者から話を伺うことが出来ました。
白糠町では「いくら」や「サーモン」など、ふるさと納税で人気の地場産品を揃えています。しかし、ふるさと納税の寄付額を増やすため、何よりもEC環境、ネット上での効果的な取引、PR方法を研究しているとのことでした。効果的な返礼品の見せ方や積極的なプロモーション、インターネット上の検索対策やメールマガジンの送り方など、スマホやパソコンを利用する寄付者を意識したデジタル分野の取組はとても参考になりました。白糠町の事例を参考に中間事業者と連携のもと、目標額の達成に向けて取組を進めてまいります。
日本ジオパーク全国大会を、10月28、29日の2日間、千葉科学大学と犬吠埼ホテルを主会場として開催します。関東での開催は初めてです。全国大会では、ジオツアー、基調講演、パネルディスカッション、市町村長セッション、分科会、ポスター発表などのプログラムが実施されます。
銚子を訪れる方のおもてなしと市民交流を図るイベント「屏風ケ浦ジオマルシェ」を開催予定です。具体的な取組を現在検討しています。銚子ジオパークの魅力を全国に発信するとともに、銚子の子どもたちや市民にもジオパークの恵みや価値を感じていただけるものにしていきたいと考えています。
国の「地域活性化起業人制度」を活用し、6月から人材を派遣いただいている鎌倉市の「株式会社カヤック」に引き続き、11月から東京都内の「株式会社ABCクッキングスタジオ」から社員を派遣していただく予定です。
民間企業が持つノウハウや知見を活かしながら、銚子の豊富な食材を活用したさまざまな料理レシピや商品開発、食を絡めた体験イベントなどを通じて、地域の活性化に取り組んでいきたいと思います。
地域おこし協力隊の受け入れについて、地域協力活動を一緒に実施していただける民間企業や団体を募集したところ、9社から11名分の応募をいただきました。地域の活性化や産業振興への寄与が期待できる提案です。
今後は、事業者の提案内容を条件に隊員の公募を行い、その後、事業者と隊員との面接などを経て、令和6年4月から協力隊として活動していただきたいと思っています。
今議会には、15議案を提案させていただきます。
慎重審議をお願いし、あいさつとします。
令和5年9月1日 銚子市長 越川信一