令和3年6月定例会の開会にあたり、ごあいさつを申し上げます。
5月17日から、3期目の市長任期がスタートしました。銚子は人口減少や財政再建など様々な課題を抱えていますが、これほど豊かな地域資源に恵まれたマチはありません。豊かな自然、豊かな食、再生可能エネルギー。何よりも郷土を愛する市民がいます。銚子商業の高校生たちが全国に寄附を呼びかけ、脱線して走れなくなった銚子電鉄の電車を復活させたように、地域資源を活かし、市民も企業も行政もともに力を合わせていけば、必ず活力あふれる銚子を復活できると信じています。
洋上風力発電、コロナ対策、防災強化、地域包括ケアシステム、子育て支援、誰一人取り残さない市政。一つひとつの政策目標に向かって、全力で取り組んでまいります。銚子市の総合計画のテーマは「握手」です。握手をし、つながり合い、新たなまちづくりの力を生み出し、銚子の未来を切り開いてまいりましょう。
議会と市長は、二元代表制の関係にあります。ともに市民に選挙で選ばれ、市民の信託を受けて活動する機関ですが、市民の代表である議会は「合議制」、行政の代表である市長は「独任制」という特性を持っています。異なる特性を生かし、競い合い、協力し合いながら、最良の意思決定を導く。それが議会と市長に課せられた共通の使命です。「競い合い、協力し合う」関係を常に意識しながら、議論し、最良の意思決定を導き、市民の信託に応えていきたいと思います。
令和3年度当初予算は骨格予算として編成しました。この6月議会には肉付け予算となる補正予算案を提案させていただきます。
主なものを申し上げますと、まずは、新型コロナ対策関係の予算です。
新型コロナ対策の地方単独事業分の地方創生臨時交付金を活用して、新型コロナウイルスワクチン接種のため、高齢者が利用するタクシー料金の一部を助成する経費として約4千万円を計上しました。
コロナ禍においても、安心して自宅などで図書に親しんでもらえるよう、インターネットを通じた読書が可能な電子図書館サービスの導入経費として、約1,100万円を計上しました。
このほか、感染予防物品の購入や、経営相談窓口の開設など、地方創生臨時交付金を活用して総額6,295万円分の事業を提案させていただいています。
なお、この地方創生臨時交付金地方単独事業分の令和3年度分の交付限度額は、3億860万円です。残りの2億4,565万円については、今後の感染状況や地域経済の動向などを踏まえたうえで、あらためて提案させていただきます。
このほか、経済的理由により結婚に踏み出せない低所得者を対象として、新たに婚姻した世帯の住宅費などを支援する経費として150万円を計上しました。
自主防災組織設立の機運醸成を目的とした資機材整備費の補助など約200万円、ひとり親家庭などに対する医療費助成の現物給付を開始するための事務経費や給付費用の増加で約300万円、NPO法人 銚子スポーツコミュニティが行うスポーツ庁の補助事業「スポーツによるまちづくり・地域活性化活動支援事業」に1,100万円を、それぞれ計上しました。市道改良整備・舗装修繕経費を合わせて1億円、体育館の照明器具をLED照明に更新する経費として約4,800万円などを計上しました。
この6月議会には、ただいまご説明申し上げました一般会計補正予算をはじめ、13議案を提案させていただきます。慎重審議をお願いし、あいさつといたします。
令和3年5月28日 銚子市長 越川信一