新型コロナウイルスの状況
早いもので、令和3年も残すところ1か月余りとなりました。
新型コロナの第5波は、デルタ株が猛威を振るいましたが、千葉県を含む19都道府県の緊急事態宣言は9月30日に解除され、現在の全国の新規感染者数は、昨年の夏以降で最も低い水準が続いています。
しかし、銚子市では、11月に入り20人の新規感染者が確認され、人口当たりの感染者数が県内最多レベルです。世界的には、南アフリカで確認された新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染が広がりを見せています。国立感染症研究所は、「オミクロン株」を「VOC(懸念される変異株)」に位置づけ、監視体制を強化しています。
市民の皆さまには、気を緩めることなく、マスクの着用・3密の回避・手洗いなど、基本的な感染対策の継続をお願いします。
国は、「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」を決定しました。今後、感染力が2倍となった場合にも対応できるよう、医療提供体制の強化、ワクチン接種の促進、治療薬の確保が進められます。一方、感染拡大を防止しながら、日常生活や経済社会活動を継続できるよう、行動制限の緩和も進められるなど、新たな局面を迎えました。
銚子市としては、市民の命と健康を守るとともに、経済活動と日常生活の回復のための役割を果たしてまいります。
ワクチン接種
ワクチン接種については、銚子市の昨日(11月29日)現在の1回目接種率が82.9パーセント、2回目接種率は81.8パーセントで8割を超え、国・県の平均を上回っています。65歳以上では88.8パーセントの方が2回の接種を終了しました。市民・関係者のご協力に感謝を申し上げます。
今後、5歳から11歳までの小児に対する初回接種を進める予定です。
また、2回目の接種完了から原則8か月以上経過した人への3回目のワクチン接種は、1月から市内医療機関の医療従事者、次に高齢者など順次進めていくことになります。銚子市医師会などと十分な協議を行い、迅速な接種体制を構築してまいります。
なお、3回目接種においても、65歳以上のタクシー利用に対する助成を、1回目・2回目と同様に実施してまいります。
洋上風力発電
洋上風力発電については、早ければ11月にも事業者が決定する可能性もありましたが、今しばらく、時間を要する見込みです。
本日、ドイツ連邦共和国のゲッツェ駐日大使の訪問を受けました。洋上風力発電事業について、今後も意見交換をしていきたいとのお話がありました。11月1日には、ノルウェー王国大使館を訪問して、漁業や洋上風力発電事業について意見交換を行いました。銚子市沖の洋上風力発電事業が、海外からも注目を集めていることを感じました。
洋上風力発電事業を漁業振興、産業振興、経済発展につなげる「銚子モデル」を実現するための取組みを進めます。
洋上風力発電と地域新電力を活かしたまちづくりを進めるため、新年度から新たに2名の地域おこし協力隊を募集したいと考えています。ゼロカーボンシティの実現に向けて、積極的に取り組んでまいります。
千葉科学大附属高校
平成16年に開学した千葉科学大学は、「人を助けたい、という人の大学」を理念として、防災・消防・看護・薬学など、社会に貢献する人材を輩出してきましたが、来年4月に通信制の附属高校が開設され、世界各国から生徒が入学し、日本語や日本文化を学ぶことになります。春休みや夏休みの期間にはスクーリングが実施され、生徒が銚子を訪れる計画です。銚子の食・人・自然に親しみ、国際交流を深める機会が生まれます。
「地域と共生する大学づくり」を目標とする千葉科学大学との連携は、銚子市総合計画の銚子元気プロジェクトに、「文教都市の形成」として位置づけられています。これまでも地域防災、ジオパーク事業、地方創生推進事業などを実施し、学生消防隊やスターラビッツによるボランティア活動も活発に行われてきました。
今後は、新たに始まる洋上風力発電事業において、事業者と連携した共同研究やメンテナンス人材の育成が期待されます。千葉科学大学とのさらなる連携を進めてまいります。
行政組織再編
市の行政組織の再編については、事務改善委員会で議論を重ねてきましたが、令和4年4月からは、企画財政課を企画課と財政課に再編することとしました。
自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応や公共施設再編などの新たな行政課題に柔軟に取り組むための再編です。
平成30年度に部制から課制に移行し、これまで議会での議論の中でも、対外的な折衝や交渉時における役職の違い、職員のモチベーションなどが懸念され、部制復活のご意見もいただいてきました。こうした意見を踏まえて事務改善委員会では様々な検討を進めてまいりましたが、「課制移行4年という期間において大幅な組織改正を伴う部制への再移行は難しい」との結論に至りました。
同時に、「次年度以降も、その時に求められる業務をできる限り効率的に執行することができる組織づくりを目指し、常に見直しを行う」としました。今後も、常に市民サービスの向上という視点に立ち、行政課題に柔軟に対応できる簡素で効率的な組織づくりを進めてまいります。
今議会には、組織再編に関する条例案、3回目のワクチン接種経費、地域おこし協力隊の募集に伴う経費、地方創生臨時交付金を活用した観光プロモーション経費などを含む補正予算案など、14議案を提案させていただきます。
慎重審議をお願いし、あいさつといたします。
令和3年11月30日 銚子市長 越川信一