新型コロナウイルスの状況
新型コロナウイルスについては、これまでに例のない急速な感染拡大が続いています。感染力の非常に強い「デルタ株」が広がり、千葉県にも緊急事態宣言が発令されています。
銚子市における感染確認は、7月が123人、8月が260人で、2カ月間で383人の感染が確認されています。隣接する旭市や神栖市でも多くの感染確認があり、いつ、誰が、どこで感染しても、不思議ではない状況にあります。
このため、銚子市では緊急事態宣言を踏まえた啓発用チラシを作成し、配布するとともに、子育てLINEなどで周知しました。防災行政無線、防災メール、広報車の市内巡回により、感染防止対策の徹底を呼びかけています。
公共施設については、市民センター、勤労コミュニティーセンター、こも浦荘、芦崎高齢者いこいセンターの利用制限を行っています。
市民の皆様にはご不便をお掛けしますが、ご理解ご協力をお願いします。
市立病院クラスター
44人の感染が確認された銚子市立病院のクラスターについては、8月3日以降の新規感染が無かったことから、海匝保健所と協議のうえ、8月16日に収束宣言を行いました。改めて深くお詫び申し上げますとともに、亡くなられた皆様に、心よりお悔やみを申し上げます。
8月17日から、入院患者の受入れ・手術・内視鏡検査を再開し、通常診療を実施しています。
今後も、より一層の感染防止対策を講じてまいります。
ワクチン接種
感染防止対策の切り札と言われるワクチン接種については、65歳以上の75パーセントにあたる1万7,500人余りの方が2回の接種を完了しました。
現在は優先接種対象者と50歳から59歳までの方の予約と接種がスタートし、今月27日からは16歳から49歳までの方の予約と接種を進めてまいります。
ワクチン供給が滞っていた職域接種については、供給のめどが立ったことから、今月以降本格化していきます。
新学期が始まる学校での感染拡大を防ぐため、幼稚園・小中学校・市立高校の教職員、保育士などを対象に優先接種を行ってまいります。
希望するすべての市民が接種を完了するまで、全力を挙げてワクチン接種に取り組んでまいります。
洋上風力発電
洋上風力発電については、公募による発電事業者の選定が進められています。国は選定にあたって、地域との調整、地域経済への波及効果について県に確認します。今後、熊谷千葉県知事から銚子市に意見が求められます。
そのため8月3日、銚子市漁業協同組合の坂本組合長、銚子商工会議所の岡田会頭と連名で、熊谷知事に要望書を提出しました。
要望内容の第一は、「漁業共生・漁業振興」「地域貢献・地域活性化」に積極的な事業者が選定されるよう、地元の意見を反映させること。
第二は、メンテナンス港としての名洗港の整備と活用と財政支援です。
第三は、地元企業の参入と活用、千葉科学大学などと連携した技術者育成に対する県の支援です。
熊谷知事からは「銚子市がエネルギーに関する最先端都市に生まれ変われるよう支援していきたい」という力強い言葉をいただきました。
11月頃にも発電事業者が決定します。洋上風力発電が銚子創生につながるように、発電事業者としっかりと連携を図り、オール銚子の体制で事業推進に取り組んでまいります。
通学路の安全確保
6月28日、八街市で、歩いて下校途中だった小学生の列にトラックが突っ込み、5人が死傷する大変痛ましい交通事故が起こりました。何の落ち度もない幼い子どもの命が奪われたことに、強い憤りを覚えます。
この事故を踏まえ、銚子市では通学路の合同点検を実施しました。学校や保護者から挙げていただいた84箇所を点検しました。安全対策について、学校・教育委員会・道路管理者・警察による協議を行いました。今後は、道路管理者として必要な措置を行ってまいります。
庁舎の耐震補強工事
耐震基準を満たしていない銚子市役所庁舎については、ポリエステル繊維の素材を柱に巻き付ける「SRF工法」により、耐震補強工事を実施してまいります。フロアを安定して支持させる軸耐力補強で、県内では、松戸市役所、八千代市役所、四街道市役所で採用されています。今議会の補正予算には、実施設計のための予算を計上させていただきました。
庁舎の耐震強度を現行の基準(Is値0.75)並みに引き上げるためには、莫大な費用が必要であるばかりではなく、庁舎機能も大幅に制限されます。一方、このSRF工法は、Is値を引き上げるものではありませんが、費用の軽減と庁舎機能の維持の両立が可能です。
昨年行った庁舎倒壊防止策作成支援業務でも「SRF工法による軸耐力補強を行えば、現行基準の想定を大幅に超えた地震に被災したとしても、倒壊を免れ、揺れも少なく被害も生じにくいと推論される。したがって、市民・職員の安全を確保し、市庁舎の機能は維持できると考えられる」という調査結果が出ていることから、SRF工法による耐震補強工事を早急に進めてまいります。
防災無線・防災ラジオ
災害情報や避難情報を伝える防災無線については、屋外子局のデジタル化を進めてきました。令和2年度に25局の増設が完了し、市内のほぼ全域をカバーしました。
しかし、室内や天候の悪い時には聞こえにくいため、デジタル式防災ラジオの配布を進めます。従来のアナログ放送からデジタル放送に切り替え、運用開始は10月1日です。自己負担は1台につき2,000円。今月中に町内会単位で配布します。
決算見込み
財政再建については市長就任以来、事業仕分け、緊急改革プラン、第7次行財政改革大綱、緊急財政対策などによる取組を進めてきました。令和2年度の一般会計の決算は、実質収支で約6億9,800万円の黒字を確保することができました。少しずつではありますが、改善結果が表れています。
しかしながら、下水道会計への基準外繰出金2億6,000万円を水道事業からの長期借り入れで対応するなど、資金繰り対応を行った結果でもあり、財政調整基金も十分な額ではありません。引き続き行財政改革に取り組み、安定した財政運営を目指してまいります。
この9月議会には、銚子市立病院の事業継続支援経費や新型コロナワクチン接種経費、庁舎耐震補強工事の実施設計などを含む一般会計補正予算をはじめ、14議案を提案させていただきます。
慎重審議をお願いし、あいさつといたします。
令和3年9月1日 銚子市長 越川信一