はじめに
9月定例会の開会にあたり、ごあいさつを申し上げます。
8月17日、銚子漁協に所属する3隻のサンマ船が北海道沖の漁場を目指し、出航しました。昨年は大変不漁だったサンマですが、今年は型も良く、豊漁が期待されています。11月18日には「銚子さんまマラソン」が開催されます。参加者に新鮮で美味しいさんまを提供できるよう、丸々と太ったサンマがたくさん銚子漁港に水揚げされることを期待しています。
平成29年度決算と平成30年度財政運営
平成29年度の決算と平成30年度の財政運営の見通しについてです。
今議会に平成29年度の決算認定議案を提案いたします。平成29年度の一般会計の決算は、実質収支で2億3,758万円の黒字を確保しました。しかしこれは、財政調整基金から3億円の繰り入れを行った結果です。厳しい財政状況は続いています。
平成30年度の一般会計補正予算議案も提案いたします。平成30年度の普通交付税の額が決定しました。普通交付税と臨時財政対策債を合わせて、当初予算より約2億円の減収となる見込みです。これを受け、歳出予算の執行停止、歳入では、使用料・手数料の改定などを見込み補正予算を編成しました。市民に新たな負担をお願いすることから、特別職の給料の減額議案を提案いたします。
8月25日と26日、行財政改革市民委員会が開かれました。参加された市民委員は、平成25年度から27年度の事業仕分けに、市民判定人としてご協力いただいた方々です。「5年前に真剣に議論し、仕分けをしたことの結果が出ていない」「厳しさが足りない」など、市民目線のご意見をいただきました。
本年度は、財政調整基金からの繰り入れに頼らない予算編成方針を掲げています。厳しい収支見通しですが、将来にツケを回さないためにも、市民委員会でいただいた意見を厳しく受け止めながら、行財政改革を推進してまいります。
地域新電力
次に地域新電力についてです。
5月23日に基本協定を締結し、6月議会終了後の6月26日、地域新電力会社である「銚子新電力株式会社」を設立しました。今議会には、地域新電力への追加の出資金497万円を含む補正予算を提案いたします。設立時の出資金3万円と合わせ500万円の出資となります。資本金の合計を1千万円と見込んでいますが、そのうちの半分を市が出資することで経営の透明化を図ります。地元金融機関にも出資を呼び掛け、市と地元金融機関で50パーセント以上の資本金を保有する予定です。資金の地域内循環、地域貢献事業の提供を目指してまいります。
小売電気事業の登録申請を経済産業大臣に提出しました。申請が集中し、登録までに時間がかかる見込みであるため、共同出資者である株式会社Looopの取次業務を10月にスタートさせる予定です。まず、市の公共施設の電力を新電力に切り替えることで、市の電気料の削減を図ります。
洋上風力発電施設の誘致
次に、洋上風力発電についてです。
国は、洋上風力発電による一般海域の利用を促進するための法案を3月9日に閣議決定し、国会に提出しました。審議未了となりましたが、次の国会に再提出される見込みです。法案では、国が洋上風力発電の「促進区域」を指定し、事業者を公募。促進区域の指定は、都道府県が国に要請する仕組みです。
促進区域の指定をめざし、千葉県の呼びかけで「千葉県洋上風力発電導入可能性検討会議」が発足し、8月6日に第1回目の会議が開かれました。銚子市も銚子漁協とともに参加しています。
銚子漁協と協議・連携を図りながら、漁業・自然と共生する洋上風力発電の実現に取り組んでまいります。
三崎園の民営化
次に、地域活動支援センター三崎園の民設・民営化についてです。
三崎園については、新たな障害福祉サービスを行う事業者を公募いたしました。事業計画書の提案などを審査し、旭市の「特定非営利活動法人あおぞら」を設置運営事業者として選定しました。
「あおぞら」が運営する旭市の事業所では、一人ひとりの特性に応じたプログラムなど、先進的な取り組みが展開されています。現在の三崎園利用者への継続的な支援のほか、知的障害と身体障害を併せ持った利用者の受入れも可能になります。短期入所、就労継続支援、日中一時支援の事業も計画し、障害者の地域生活支援拠点を目指します。
事業者の施設整備計画を、市から県に提出しました。事業が採択されるよう、市として国や県に積極的に働きかけてまいります。2020年4月の開設に向け、準備を進めてまいります。
火災予防と消防署所再編
次に、火災の予防と消防署所の再編についてです。
平成29年の市内の火災件数は23件で、このうち建物火災が18件、4名の尊い命が失われました。本年もこれまでに16件の火災が発生し、うち9件が建物火災です。8月19日にも建物1棟を全焼する火災が発生しましたが、けが人がなかったことは、不幸中の幸いでした。
建物火災で亡くなる原因の多くは逃げ遅れによるものです。火災の予防はもちろん、火災が起きてしまった場合でも、逃げ遅れないよう住宅用火災警報器の設置を「広報ちょうし」などを通じて呼びかけてまいります。
6月24日に旭市で開催された海匝支部消防操法大会で植松町・明神町・川口町などを所管する第2分団第4部が、銚子市消防団として26年ぶりに最優秀賞に輝きました。海匝地区の代表として県大会にも出場し入賞しました。仕事を持ちながらの活動に心から敬意を表します。
小畑町の東部分署が完成し、9月25日からは消防署は1署2分署体制に移行します。東部地区に初めて救急車を配置し、西部分署には新たに水槽付ポンプ車を配置するなど、消防・防災力の強化を図ります。消防団にもご協力をいただきながら、市民の生命と財産を守ってまいります。
東京オリンピックホストタウン
世界女子ソフトボール選手権大会に出場した台湾代表チームが、7月末から8月上旬にかけて銚子で事前キャンプを行いました。東京オリンピックに台湾代表チームが出場した際には、銚子市で事前キャンプを実施するという協定を8月6日台湾ソフトボール協会と結びました。
木樽行政アドバイザーを先頭に、銚子ライオンズクラブなど、多くの方々の協力を得て誘致に成功したものです。今後、東京オリンピックのホストタウンとして登録されれば、台湾との交流経費について、国から一定の支援が受けられることとなります。台湾との交流、台湾からの観光客誘致をさらに推進してまいります。
結びに
現在の市政の課題や取組方針について、述べさせていただきました。今議会では、一般会計補正予算など27議案を提案させていただきます。
慎重審議をお願い申し上げ、あいさつといたします。
平成30年9月3日 銚子市長 越川信一