平成30年度予算案を含めた各議案の提案にあたり、新年度の市政運営の所信を述べさせていただきます。
昨年4月の選挙を経て、2期目のスタートを切り、すでに9か月が経ちました。「財政再建」と「病院再生」の歩みを確かなものにしながら「銚子創生」という新しい扉を開く。「再建から創生へ」をテーマに、事業を進めてまいりました。
福祉パス実証実験に向けた準備、子どものインフルエンザ予防接種費用の助成、道路や河川、橋りょうの整備など、限られた財源の中にあっても取捨選択をしながら、できる限り市民要望に応えられるようスピード感を持って取り組んでまいりました。
新年度も引き続き、人口減少社会の中でも豊かさを実感できるまちづくりを進めていきます。
まず、財政再建と行財政改革ですが、財政調整基金の現在高は、予算ベースで1億3,400万円余りに減少しています。人口減少に伴う地方交付税の減少や高齢化に伴う社会保障関係経費の増加などで収支のバランスがとれていない状況です。
更なる歳入の確保、歳出の削減に取り組み、行財政改革を推し進め、将来にわたって収支バランスのとれた、安定した行財政基盤の確立を目指します。
新年度は、行財政改革の推進状況を市民目線でチェックしていただくため、行財政改革市民委員会を立ち上げます。1月と2月には委員候補者を対象とした事前研修を実施しました。市の財政状況について市民と危機感を共有し、行財政改革を着実に進めます。市民委員会での活発な議論を期待しています。
市立病院については、平成27年4月から一般財団法人銚子市医療公社が指定管理者となり、市と連携を図りながら運営を行っています。
平成29年度の病院運営にかかる収支不足は、病床利用率の向上により目標額より抑えられる見込みです。一定の収支不足は見込まれますが、安定的運営の方向性が見え始めました。さらに経営改善を進めるには、病棟規模の拡大や診療体制の充実を図る必要があります。
新年度から3年間の中期事業計画では、3年後の稼働病床数で一般病棟80床、回復期リハビリテーション病棟30床を目指しています。
医師や看護師、医療技術者の確保に努めるとともに、銚子市医師会や近隣病院、介護・福祉施設などとの連携を強化し、在宅復帰の医療機能を担う回復期リハビリテーション病棟の早期設置を目指します。
銚子創生の取組については、地方創生推進交付金を活用し、官民協働事業としてスポーツタウン事業などを進めてきました。旧銚子西高校を活用した152人の宿泊が可能なスポーツ合宿施設がいよいよ4月にオープンします。ヘルスツーリズム事業や観光DMO構築事業、実践型の人材育成事業も各事業実施主体を中心に進められています。「稼ぐ力」を発揮して各事業主体が自立できるよう支援します。
地方創生推進交付金を活用して進められているこれらの事業を先導的な役割を果たす事業として、地域の再生、銚子創生に取り組みます。
台湾との交流については、野柳ジオパークとの交流や茶文化交流、銚子電鉄と台湾鉄路蘇澳線との姉妹提携など、交流が盛んになっています。私も昨年と一昨年、台湾を訪問しました。新年度は、千葉県内で開催される世界女子ソフトボール選手権大会に出場する台湾代表チームの銚子キャンプが7月に行われます。オール銚子の体制でおもてなしを行い、市民と一緒に盛り上げてまいります。
台湾東部で2月6日、強い地震があり、多くの犠牲者、甚大な被害が出ました。地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。被災された方々のために、市では市内の企業・団体とともに募金活動を始めました。一日も早い復旧復興を願っています。
次に、当初予算案について説明します。
厳しい財政状況の中にあっても、市民サービスの向上のため、全庁を挙げて財源確保に取り組み、限りある予算を有効活用するために、平成30年度の当初予算は、次の基本方針に基づき編成しました。
平成29年2月に策定した「第7次銚子市行財政改革大綱」に基づく取組を着実に推進し、その効果を予算に反映させ、市の財政構造を持続可能なものとします。
歳入では、徴収対策の強化、ふるさと納税の推進、市有財産の有効活用などによる新規自主財源の確保。歳出では、既存事務事業をあらゆる角度から検証し、積極的に見直すことで、最少の経費で最大の効果を生み出し、新規事業を実施する場合はスクラップ・アンド・ビルドを徹底する。施設の建設や道路の整備などの普通建設事業は、地方交付税措置のない地方債の年間発行限度額を5億円に設定し、緊急性の高い事業以外は実施しない。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設などの総量縮減、統廃合・集約化を進め、最適な配置に努めます。
これら歳入歳出の取組により、平成30年度は財政調整基金に頼らない予算編成としました。
厳しい財政状況の中にあっても、地方創生に取り組みながら、行政から社会的弱者にアプローチしていくアウトリーチを推進し、市民に寄り添う市政運営を行うことも基本方針に掲げました。
次に予算の概要です。
新年度の一般会計予算は、歳入では、市税と地方消費税交付金が増加する見込みです。一方、地方譲与税や地方交付税が減少するなど、前年度当初予算に比べ一般財源が大幅に減少する見込みです。
歳出では、公債費の負担が前年度に比べ減少するものの、高い水準で推移し、介護保険事業に対する繰出しや後期高齢者医療制度に係る負担が増加します。生活保護扶助費や障害者自立支援給付費などの社会保障関係経費の負担が一定規模で続く見込みです。
厳しい財政状況の中、市立病院の運営に必要な交付金は、これまでと同様に当初予算での計上を見送り、短期貸付金を計上し、交付金を補正予算対応とすることで、収支均衡を保った予算としました。
一般会計は、231億3,700万円、前年度当初比4.7パーセント増、6月補正の肉付け予算後との比較で0.7パーセントの減となっています。
公営企業会計は、水道と病院事業会計をあわせて43億2,190万円、前年度比8.5パーセント減です。
特別会計は、国民健康保険事業ほか4会計で179億4,600万円、前年度比6.0パーセント減です。
運用基金は、土地開発基金5億4,715万4千円と育英資金貸付基金1億207万9千円です。
市全体の予算総額では460億5,411万9千円、前年度比1.1パーセント減です。
続いて、新年度の主要な施策について概要を申し上げます。
市民の健康づくり
本年3月には、健康増進計画・食育推進計画・自殺対策計画を一体化した「銚子健康プラン-心も体もいいちょうし-」を策定します。
このプランでは、市民一人ひとりが生涯にわたって健康で心豊かな生活を送ることを目指し、市民や行政、関係機関、団体などが一体となって総合的・効果的に心とからだの健康づくりを進めます。
高齢者福祉施策では、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、引き続き地域包括ケアシステムの構築を目指します。「高齢者福祉計画・第7期介護保険事業計画」に基づき、具体的な施策を実施していきます。
高齢者や障害のある人の外出・移動支援、活動促進、高齢ドライバーの運転事故防止を図るために、4月から半年間路線バスと銚子電鉄が無料で利用できる福祉パスの実証実験を行います。実験結果を踏まえ、本格実施の可否を検討します。
本年1月から開始した、高齢者と障害のある人を対象とした家具転倒防止器具等設置費用の助成及び認知症カフェ事業補助は、新年度も引き続き実施します。
障害者福祉については、本年3月に「銚子市障害者福祉計画」「第5期銚子市障害福祉計画」「第1期銚子市障害児福祉計画」を策定します。障害のある人もない人も、ともに生きがいを創り高め合う、地域共生社会の実現を目指します。
障害のある児童の集団生活への適応のため児童発達支援センターわかばで実施している「保育所等訪問事業」の訪問先を、新年度には小学校へも拡充します。
地域活動支援センター三崎園は、障害のある人の生活環境の向上を第一の目的に民営化に向けた事務を進めます。
障害福祉サービスを長期間利用していた障害のある方が65歳に到達しても、引き続き障害福祉サービスが受けられる「共生サービス」を新たに開始します。
子ども・子育て支援については、新年度から健康づくり課に銚子市子育て世代包括支援センター「すくサポ」を開設します。専任の保健師・子育てコンシェルジュなどの専門職を配置し、妊娠期から子育て期にわたり切れ目のない、きめ細やかな支援を行います。
子ども医療費助成の対象年齢を18歳になる年度末まで拡大、所得制限を撤廃します。子どものインフルエンザ予防接種費用の一部助成事業を継続するなど、子どもの保健対策の充実と保護者の経済的負担の軽減を図ります。
ひとり親家庭の経済的自立を支援するため、就職の際に有利な資格取得に必要な費用の一部を助成します。
私立保育園における保育士の処遇改善を促進することで、人材の確保と定着を図り、子どもを安心して育てることができる環境整備を進めます。
改定時期を迎える「子ども・子育て支援事業計画」策定のため、保護者のニーズを把握するアンケート調査を実施します。
生活困窮者への自立支援事業を引き続き実施します。生活保護に至る前からの切れ目のない支援により、生活困窮者の自立を支援します。
市役所が市民にとって最も身近な相談窓口であるということを常に心に留めながら、すべての職員が事務にあたります。
国民健康保険事業の運営については、新年度から、千葉県が国民健康保険事業運営の責任主体となります。国民健康保険事業の広域化に応じた財政計画を策定し、国保財政の健全化に努めます。
国民健康保険・後期高齢者医療制度の加入者への人間ドック助成、特定健康診査や後発医薬品(ジェネリック医薬品)の利用促進などの取組により、医療費の縮減・適正化に努めます。
学校教育の充実については、子どもたちが将来に向けて、たくましく生きる力を身に付け、自分たちの未来に夢をいだき、健やかに成長できるよう、知徳体のバランスのとれた質の高い学校教育を目指します。
新年度は、いじめ問題対策連絡協議会などの組織を設置し、いじめ問題に対して、関係機関との連携を充実させます。
経済的理由により就学困難と認められる中学校の生徒の保護者に対し、新たにクラブ活動費を援助し、保護者の経済的負担を軽減します。
3年後の銚子西中学校の開校に向けて、施設整備に着手します。統合準備委員会を中心に制服や校歌、校章等について検討していきます。老朽化した豊岡小学校屋内運動場の改修を進めます。
千葉県内唯一の銚子ジオパークは、昨年来、台湾の野柳ジオパークとの交流を進めてきました。インバウンド効果が期待されるところです。
銚子市の貴重な地域資源を後世に向けて保全し、ふるさと教育や地域振興に活用するため、市民と産学官による銚子ジオパーク推進協議会が実施するジオパーク活動を支援します。
文化財の活用については、平成28年4月に認定された日本遺産「北総四都市江戸紀行-江戸を感じる北総の町並み-」を地域振興につなげていくために、昨年「銚子市日本遺産活用実行委員会」が組織されました。
今後、千葉県や関係市、実行委員会と連携して、魅力発信や観光振興につながる事業を進めます。
本年3月には、「銚子市歴史文化基本構想」を策定します。市内の文化財を核として、歴史・文化を活かした地域づくりを進めていきます。
国際交流については、昨年11月に設立された「銚子市国際交流協会」が、定住外国人の生活支援や地域に根差した国際交流の場を提供する事業を行います。
3月4日には、協会の設立を記念し、国際交流パーティーが開催されます。今後も国際交流協会の活動を通じて市民の国際交流・異文化理解をより一層促進します。
交流と協働によるまちづくりですが、旧第八中学校の校舎を活用し、「銚子市地域交流センター・銚子芸術村」の整備を進めます。地域の交流拠点、子育て支援、高齢者の健康増進、芸術家の創作室、市民ギャラリーなど、複合的機能を持った地域に親しまれる施設として整備を進め、本年11月中旬の供用開始を目指します。
大学との連携については、千葉科学大学がさまざまな団体などと協力関係を深め、地域の"知の拠点"として、地域人材の育成や地域貢献の研究・開発を進めています。今後も産業、教育、防災など、幅広い分野で大学と連携を深めていきます。
再生可能エネルギーについては、銚子市の恵まれた自然環境を活かした積極的な活用を推進します。
地域経済の発展・活性化が期待できる洋上風力発電事業を推進するため、昨年4月に洋上風力推進室を設置しました。8月には銚子市漁業協同組合と合同で、先進地である長崎県五島市への行政視察を実施しました。国では、洋上風力発電の一般海域利用をルール化する法案が検討されています。
今後も、漁業との共生・共栄を絶対条件として、関係機関と連携・合意形成を図りながら大規模洋上ウィンドファームの実現を目指します。
市内で発電された電力を地域で消費する地域新電力、エネルギーの地産地消の可能性を調査・研究します。
地域経済の活性化については、昨年、総務省の委託事業「お試しサテライトオフィスモデル事業」で策定した誘致戦略に基づき、旧猿田小学校や旧小児言語指導センターの試験的活用を実施しています。都市部の企業・起業家誘致を進め、新たなビジネス展開に繋がる支援をしていきます。
銚子市に進出する企業や既存企業の再投資に対し「企業立地等促進事業補助制度」により支援します。人材不足の克服や廃業による事業所の減少に歯止めをかけるため、企業合同就職説明会を開催するとともに、事業承継を支援してまいります。
移住定住の推進については、気軽に銚子暮らしが体験できる施設として西小川町と長崎町に「お試し住宅」を設置しました。千葉県や近隣自治体と連携して、移住セミナーを実施してきました。
2月1日には、銚子市へ移住した先輩移住者が中心となった移住者コミュニティ「新銚子人」が結成されました。移住の相談や市のPR、移住者間の交流のお手伝いをするものです。官民がこれまで以上に連携して移住定住を推進していきます。移住定住の推進については、気軽に銚子暮らしが体験できる施設として西小川町と長崎町に「お試し住宅」を設置しました。千葉県や近隣自治体と連携して、移住セミナーを実施してきました。
観光振興については、地域一体となって観光地域づくりを進めていくための舵取り役となる観光DMOの構築を、銚子市観光協会が中心となって進めています。
新年度は、モニターツアーなどにより着地型観光の開発・企画を行います。千葉県や近隣自治体と連携した観光キャラバンや観光プロモーションを進めます。成田空港に近い地理的優位性を活かした訪日外国人観光客の誘致も積極的に進めます。
農業振興については、昨年10月の台風により被害を受けた農業者に対し、農業経営の維持安定を図るため、千葉県や関係融資機関と協力し支援を進めます。
西部地区で拡大しているイノシシを始めとした有害鳥獣による農作物被害を防ぐため、地域住民、猟友会、農業団体、市を含む関係機関で作る「銚子市有害鳥獣被害対策協議会」を中心に、引き続き、捕獲や電気柵の設置などに取り組みます。
東総台地地区広域営農団地農道は、事業主体の千葉県や関係市町と連携し整備を進めています。新年度は、東総台地2期地区の残り約1.3km区間の実施設計、調査と一部工事が行われる予定です。
水産業振興については、7年連続日本一の銚子漁港の水揚を支えるため、廻船誘致対策を銚子市漁業協同組合と連携して進めます。
新年度から始まる次期漁港整備計画を踏まえ、事業主体の千葉県と連携しながら、漁業者の利便性が高い港づくりを目指します。
新規就業者フェアへの参加など、銚子市漁業協同組合外川支所が中心となって行う「キンメダイのまち外川」の後継者確保に向けた取組を支援します。
2月5日から8日まで、千葉県産水産物の輸出促進を図る知事のトップセールスに同行し、タイ王国を訪問しました。銚子市漁業協同組合や水産加工関係者とともに銚子の魚の品質の良さと魅力をPRしてきました。今後も、水産物の輸出を含めた販路拡大への民間の取組を支援していきます。
東総地区広域市町村圏事務組合が進めるごみ処理広域化推進事業については、広域ごみ焼却施設は野尻町地区、広域最終処分場は森戸町地区を建設予定地として、事業を進めています。
新年度は、広域最終処分場建設の契約手続きが進められる予定です。
ごみ処理広域化推進事業は、国の震災復興事業に位置付けられ、銚子市の財政にとって非常に有利です。3年後の稼働に向けて、引き続き全面的に協力していきます。
ごみの減量については、継続してごみの減量化に取り組んだ結果、一人あたりのごみ量は県内ワーストから脱したものの、いまだ喫緊の課題です。
ペットボトルや紙製容器包装など、資源ごみ分別のさらなる周知を行い、ごみの減量化と資源化率の向上に努めます。
衛生センターは、稼働から25年以上が経過し、老朽化しています。衛生センターの長寿命化を図るため、基幹的設備の改良工事を実施します。
新年度から3か年の計画で工事を進めます。
三崎団地については、入居者の地域コミュニティを活性化し、防犯や住環境の向上を図るため、「銚子市営住宅管理計画」に基づき、引き続き集約化を進めます。
空家対策については、昨年12月に策定した「銚子市空家等対策計画」と今議会に提案しています「銚子市空家等の適切な管理に関する条例」に基づき、空家の所有者などに対し適切な管理を促すとともに、地域の防災、衛生などに深刻な影響を及ぼしている空家から、住民の生命・身体・財産を保護し、生活環境の保全を図ります。
空家を地域の資源と捉え、所有者・地域住民・各分野の専門家とも協力・連携し、空家やその跡地の利活用方策を検討していきます。
防災対策については、全国瞬時警報システム(Jアラート)新型受信機を整備し、正確で迅速な防災情報の伝達に努めていきます。
消防については、消防署用の消防ポンプ自動車、消防団用の消防ポンプ自動車や小型動力ポンプ付積載車を更新整備するとともに、消防団活動の充実と体制強化に努めます。
地域防災の要である消防団員が年々減少傾向にあることから、消防団への加入促進に積極的に取り組みます。
将来的な人口減少を見据え、「銚子市消防署所再編計画」に基づき、効率的な消防体制の構築を進めます。10月を目標に、現在の4か所体制から3か所体制へと移行します。
消費生活については、複雑、多様化する相談に対応するため、専門相談員による丁寧な相談対応を行います。消費者被害を防止するため、情報提供や相談窓口の周知、講座などによる啓発活動に取り組みます。
これからも、安全で安心して暮らせる地域社会の実現を目指し、身近で相談しやすい消費生活センターづくりを進め、より一層の消費者行政の推進に取り組みます。
銚子連絡道路は、横芝光町までが開通し、現在は、横芝光町から匝瑳市間が整備区間として事業が進められています。国道126号銚子市三崎町から旭市八木区間の延長5.7kmのバイパス整備と併せ、全線の早期完成に向け、国・千葉県に働きかけていきます。
国道356号銚子バイパスは、芦崎町から長塚町までの第2期工事区間3.05kmの工事が、平成23年度から進められています。全線の早期完成に向け、千葉県へ要望をしていきます。
県道愛宕山公園線(銚子ドーバーライン)の延伸と県道銚子公園線の歩道整備についても、引き続き、千葉県に整備を要望していきます。
道路施設の安全対策については、国の交付金や交付税措置のある地方債を活用して、道路の舗装修繕や橋りょうの点検・修繕を計画的に進め、市民要望に対応していきます。道路反射鏡、道路照明灯、区画線の設置など、交通安全施設の整備を進め、交通事故のない安全・安心なまちを目指します。
上水道整備ですが、本城浄水場管理本館の建物が、まもなく完成します。本年7月には、業務の効率化と災害緊急時の対応力の強化を図るため、水道事業の事務所を市庁舎から管理本館に移転します。
新年度には、新たな浄水池と場内配管の整備にも着手します。
将来にわたり安定的な水道事業を継続していくため、中長期的な経営の基本計画「水道事業経営戦略」を策定します。
下水道については、長寿命化計画に基づき、芦崎終末処理場の改築更新や唐子・芦崎幹線の移設を行い、下水道施設の適切な維持管理に努めます。
歳入確保ですが、市税は、市の歳入の根幹をなすものであり、未収金の縮減と徴収率の向上は市の最重要課題です。税負担の公平性と自主財源確保のため、賦課徴収の強化を図るとともに、期限内納税の周知・啓発に取り組みます。
市税以外の債権についても「銚子市債権管理基本計画」を着実に推進し、未収金の縮減に取り組み、より一層の歳入確保を目指します。
平成27年11月に策定した「行政組織再編計画」に基づき、平成28年度から段階的に行政組織の再編を進めてきました。新年度から、消防を除き現行の6部22課4局体制から17課5局体制に移行します。
新体制のもとでは、現行の部長・課長・課長補佐・一般職員の4層体制から、一部の課を除いて課長・室長・一般職員の3層体制となります。組織階層の簡素化により、トップと現場との距離を縮め、効率的な行政運営と意思決定の迅速化を図ります。
公共施設再編については、平成28年2月に策定した「公共施設等総合管理計画」で定めた、20年後の延べ床面積30パーセントの削減を実現するため、地域住民や施設利用者に施設の客観的なデータを示し、市民との合意形成を図っていきます。個別計画に基づき、施設の統廃合・集約化などを進めていきます。
未利用の市有地は、「市有財産利活用検討委員会」において有効な利活用を検討します。利用予定のない市有地は、個別の問題点などを整理しながら、積極的に売却などを進め、財源の確保に努めます。
男女共同参画については、DV防止法や女性活躍推進法に基づく計画としての位置づけを併せ持った「第3次銚子市男女共同参画計画」を本年3月に策定します。計画の着実な推進を図り、理念として掲げる全ての人の人権が尊重され、一人ひとりがその個性と能力を発揮できる社会の形成を目指します。
総合計画については、「市民ワークショップ」で議論を重ねながら策定作業を進めています。限られた行政資源だけでまちづくりを考えるのではなく、市民や地域団体、民間企業などが持つさまざまな「ちから」を掘り起こして「つなぐ」ことで、大きなまちづくりの「ちから」となって紡がれていくという新たな視点を持ち、銚子市が進むべき今後10年間のまちづくりの方向性を示す指針づくりを進めています。
平成30年度中には、基本構想と基本計画を取りまとめ議会に提案させていただく予定です。銚子市が将来に向けて目指すべき「まちの姿」を示せたらと思います。
以上、新年度の市政運営に臨む私の所信と、新たに取り組む施策を中心に述べました。
市民の皆さま、市議会議員各位の一層のご理解、ご協力をお願いします。
平成30年2月26日 銚子市長 越川信一