はじめに
平成30年6月定例会の開会にあたり、ごあいさつを申し上げます。
2期目の任期がスタートしてから1年が経ちました。昨年6月議会で、「これからの4年間は、財政再建と病院再生を確かなものにしながら、銚子創生という新しい扉を開く時です。郷土愛を結集して銚子電鉄を復活させた銚子商業高校の生徒たちのように、市民一人ひとりの情熱と力を重ね合わせ、行動し、まちづくりの翼を広げていけば、必ず銚子創生を成し遂げられると信じています」と申し上げました。
依然として厳しい財政状況は続いていますが、再建の努力を続けながら、銚子創生の成功事例を積み上げていきたいと思います。
銚子スポーツタウンオープン
銚子創生事業の一つであります「銚子スポーツタウン」がこの4月、スタートしました。民間の柔軟な発想・スピード力・営業力が旧銚子西高校を生まれ変わらせました。官民協働事業として支援をしてまいります。
行政組織再編、部制から課制へ
4月から部制から課制に移行し、市役所の組織が大きく変わりました。この議会から新たに答弁に加わる課長も多くいますが、よろしくお願い致します。課制移行に伴う効果と課題を検証しながら、組織改変の目的であるスピード感をもった意思決定、コミュニケーションの円滑化、業務の効率化、市民サービスの向上に繋げてまいります。
「福祉パス」実証実験スタート
高齢者・障害者の移動支援・活動支援、高齢ドライバーの運転事故防止を図るため、高齢者・障害者が路線バスと銚子電鉄を無料で利用できる「福祉パス」の実証実験を4月からスタートしました。
昨日の5月30日現在の交付数は、高齢者1,296人、障害者205人の合計1,501人です。4月の実績は高齢者の841人、障害者とその介助者で163人、合わせて1,004人の方が実際にパスを利用して、路線バスや銚子電鉄を利用しています。利用者アンケートや利用実態の分析を行い、効果と課題を整理しながら、本実施に向けた検討を進めます。
子ども医療費助成制度の拡大
次に、子ども医療費助成についてです。
4月から子ども医療費助成制度を高校3年生まで拡大しました。対象者の7割以上に上る1,377人から申請があり、291件の請求がなされています。これまでの所得制限により、助成対象にならなかった288人の方にも新たに受給券を発行しました。
限られた財源ではありますが、子育て支援によって子どもを産み育てやすい環境を整え、少子化や子育て世代の人口の流出を防いでいきたいと思います。子ども医療費の助成をはじめとした少子化対策は、根源的には国全体で取り組むべき課題です。今後も、国や県に対し、市長会などを通じ、子ども医療費の無料化をはじめとする子育て支援・少子化対策を要望していきます。
JR銚子駅新駅舎使用開始
JR銚子駅の新駅舎が竣工しました。外観は犬吠埼灯台、内側は醤油蔵をイメージしたものです。これまでの駅舎よりコンパクトになりましたが、地元千葉県の木材である山武杉を使用した駅舎は、暖かみのある、やわらかい雰囲気を醸し出しています。イベント広場や駅ピアノも設けられ、親しまれています。銚子の玄関として、市民にも観光客にも愛される銚子駅になるように、市も協力してまいります。
地域新電力会社の立ち上げ
次に、私の公約にも掲げた地域新電力会社の立ち上げについてです。
5月23日、電力の地産地消と地域活性化を目的として、地域新電力会社を設立するため、株式会社Looop、株式会社エックス都市研究所と基本協定を結びました。太陽光発電や風力発電、地域で発電される再生可能エネルギーなどを購入し、市の公共施設・事業所・一般家庭に販売し、地域内の資金循環・エネルギー循環を図るとともに、電力事業の利益による地域貢献を目指します。出資者を募り、10月に本協定を結び、来年4月の新電力事業スタートに向けた準備を進めます。
洋上風力発電施設の誘致
次に、洋上風力発電についてです。
洋上風力発電については、銚子市漁業協同組合と東京電力が商業運転化の合意に向けた最終的な協議・手続きを進めています。国は、洋上風力発電による一般海域の利用を促進するための法案を3月9日に閣議決定し、国会に提出しました。今の通常国会中の成立は困難な状況ですが、この法律が成立すれば、国が洋上風力発電の促進地域を指定し、事業者を公募することになります。銚子漁協と協議・連携を図りながら、漁業・自然との共生モデルになる洋上風力発電の実現に向け、促進地域に指定されるための準備・働きかけを進めていきます。
企業・起業家誘致
千葉県と連携し、お試しサテライトオフィスを拠点とした企業・起業家の誘致を進めます。宿泊可能なお試し用のシェアオフィスを外川に設置し、6月から利用が可能になります。旧小児言語指導センターについても引き続き、お試しオフィスとして提供していきます。旧猿田小学校は「サテライトスタジオ猿田小学校」として、昨年11月からレコーディングスタジオの利用可能性を調査してきました。さらに、音楽関連事業の利用拡大の可能性を調査するため、平成31年3月までモニター利用を延長しました。
29年度の決算見込と行財政改革
平成29年度決算は、本日をもって出納整理期間が終了します。今後、計数の整理を行いますが、平成29年度の一般会計決算は、実質収支で約2億3千万円の黒字となる見込みです。これは、財政調整基金から3億円の繰り入れを行った結果であり、厳しい財政状況は依然として続いていることを表しています。
平成30年度は、財政調整基金の取り崩しに頼らない予算編成を基本としています。今後、市立病院の収支不足の補てんなども見込んでいますが、財政調整基金を繰り入れない、財政調整基金に頼らない財政運営を目指します。行財政改革を着実に進め、収支のバランスのとれた安定した財政基盤の確立を目指します。
結びに
主な市政の課題や取組方針などについて、述べさせていただきました。
この6月議会では、一般会計補正予算など10議案を提案させていただきます。慎重審議をお願いし、あいさつといたします。
平成30年5月31日 銚子市長 越川信一