■市長コラム92 【川村芳次市長の創造】 銚子市長 越川 信一 銚子市誕生から90周年を迎えた。『続銚子市史』によると、昭和に入り築港工事を控えて、銚子では各町村が大同団結して大銚子市を建設し、地域の発展を図ろうとする機運が高まり、 昭和8年(1933年)2月11日、銚子町・本銚子町・西銚子町・豊浦村の3町1村が合併して銚子市が発足。千葉県で2番目、全国で116番目の市の誕生となった。 岡田文秀・千葉県知事の3度の説得によって銚子市長を引き受けたのは、千葉県の川村芳次地方課長。42才の市長就任は全国最年少で、のちに銚子市長3期、北海道岩見沢市長5期を務めた。 川村市長は昭和8年6月の市制祝賀式で、「本市は商工都市・水産都市・観光都市として、多くの独自性をもっています。この特性を発揮し、一致協力し、大局を見て改革の結果を出し、 地方の開発・国益の増進・市民の福利のために邁進し、市制施行の意義を具現化してまいりましょう」とビジョンを述べた。自叙伝には、「銚子市長の12年間は、 新市としての要請にこたえて遮政を一新し民生、文教、産業、観光等めざましく伸展をみたことは、果てしない創造の喜びである」と綴られている。 市制90周年を迎えた今、市制施行の原点に立ち返り、商工・水産・観光という銚子の独自性に、洋上風力やジオパークなどを加え、新たな魅力と活力を創造していきたい。