市長コラム77 ■エネルギーの最先端都市 銚子市長 越川信一 2027年にも稼働が期待される銚子市沖洋上風力発電計画の事業者募集が5月で締め切られ、国が選定手続きに入った。この秋にも発電事業者が決定する見通しだ。事業者選定手続きの中で国から県に意見が求められることから、8月3日、熊谷俊人知事と千葉県庁で面談。坂本雅信・銚子漁協組合長、岡田知益・銚子商工会議所会頭と共同で、県へ要望書を提出した。 要望の第一は、「漁業共生・漁業振興」「地域貢献・地域活性化」に積極的な事業者が選定されるような県の意見表明。第二は、メンテナンス港としての名洗港の整備活用と財政支援。第三は、地元企業の参入と活用、千葉科学大学などと連携した技術者育成に対する県の支援。 熊谷知事は今年4月にも銚子市の洋上風力設備や名洗港を視察。この日の面談でも「銚子市がエネルギーに関する最先端都市に生まれ変われるよう支援していきたい」と語ってくれた。 大規模な洋上風力発電は、二酸化炭素排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」に貢献する国策事業。これを銚子の漁業振興や地域活性化にも結びつけたいというのが、銚子の強い思いだ。地元発注の受け皿となるメンテナンス会社「C-COWS(シーコース)」を銚子漁協と商工会議所と市で設立。再生可能エネルギーを地域に循環させる第3セクターの地域新電力会社「銚子電力株式会社」も運営を拡大。2月には、「ゼロカーボンシティ銚子」を宣言した。 今後の蓄電池や水素技術の進歩も見据えながら、災害・停電時対応や地産エネルギーを循環させる仕組みを考えていきたい。熊谷知事の言われる「エネルギーに関する最先端都市」は、日本の未来に通じる銚子の大きなビジョンだ。