市長コラム80 ■ノルウェー王国大使館訪問 銚子市長 越川 信一 サバを通じた縁で交流を深めてきたノルウェー王国大使館を訪問。ニーハマル大使、クアルハイム参事官など大使館関係者と水産業や洋上風力発電について懇談させていただいた。 2020年の銚子漁港の水揚げは約27万トン、10年連続日本一を達成した。サバは8万8千トンで、東南アジアや中東、アフリカなどへ輸出も多い。一方で国内市場向けに銚子で加工するサバは、脂の乗ったノルウェーサバの使用も多い。日本がノルウェーから輸入したサバはここ数年間6万トン前後で推移しており、銚子市の水産加工企業は大きな取引先だ。 ノルウェーのサバ漁業は、IT化で漁船の近代化を図り、漁期を秋に限定するなど資源管理を徹底。高品質のサバの漁獲を持続させ、高収入を確保している。ノルウェー人にとって漁業は、人気の職業の一つだという。 2017年には、ノルウェーのサンドバルグ漁業大臣が銚子を訪問。その後も、国会議員団、ネースビーク漁業大臣などが銚子を訪れ、銚子開催のサバサミットにも大使館関係者が参加した。 世界的な石油・天然ガスの開発を手がけるノルウェー企業「エクイノール」は2018年、東京に日本事務所を開設。日本企業と提携し秋田沖の洋上風力発電事業にも応募。日本での事業展開に意欲を示している。フィヨルドの地形を織りなすノルウェーの主力電源は水力発電だが、石油や天然ガスを掘削・生産するプラントに電力を供給するため、浮体式(コンクリート製)の洋上風力発電施設(8メガワット×11基)を沖合140キロメートル、水深260メートルから300メートルに建設。来年にも稼動予定だと伺った。 銚子とノルウェーとのウィンウィンの友好関係をさらに強化していきたい。