市長コラム82 ■公民連携 銚子市長 越川 信一 大阪府大東市でまちづくり会社「コーミン(大東公民連携まちづくり事業株式会社)」を運営する入江智子社長と懇談する機会をいただいた。 人口12万人の大東市は2016年、市が出資するまちづくり会社としてコーミンを発足。JR住道駅前で「ズンチャッチャ夜市」を定期開催し、「地域健康プロフェッショナルスクール」や「地域包括支援センター」の運営を行ってきた。 事業の中核となる「北条まちづくりプロジェクト」は、築50年、144戸の市営住宅の建て替えを公民連携の手法で実現した。市が所有する土地をコーミンが借り、銀行融資を受けて民間賃貸住宅や商業施設を建築。市は民間賃貸住宅のうち74戸を市営住宅として借り上げる。公園や道路、親水護岸は市が整備を担う。コーミンは、賃貸料などで銀行融資を返済していく「エージェント型PPP」と言われる仕組みだ。商業施設には北欧をテーマとしたアパレル企業やアウトドアショップが入り盛況とのこと。 建築士の資格を持つ入江さんは元大東市の職員で、20年余り市営住宅や営繕業務に携わってきたが、「北条まちづくりプロジェクト」に携わるため、市役所を辞め、2018年にはコーミンの社長に就任。「市役所を辞めた一番の動機は、入居者の生活がジャンプアップするような市営住宅をつくりたい、周辺住民が自慢に思えるまちをそこからつくりたい、というものでした」と瞳を輝かせる。 銚子市でも様々な公共施設が老朽化し、更新時期を迎えている。公民連携の視点を含め、公共事業のあり方を見直してみたい。