市長コラム83 【11年ぶりの正常な予算編成】 銚子市長 越川 信一 銚子市の令和4年度予算を審議する3月議会が閉会し、全ての議案を可決いただいた。これまでは危機的な財政状況により当初予算に計上できなかった経費もすべて、新年度予算に盛り込むことができたのは実に11年ぶりのことだ。ようやく「正常な形」での予算編成ができたと言える。 一般会計の当初予算総額は238億円。財政の健全性の目安となるのが、市の貯金にあたる一般会計の財政調整基金。イザという時に自由に使えるお金だ。銚子市の予算規模では15億円程度は必要だが、平成13年度末に23億円あった同基金は、財政の悪化とともに減少。平成25年度末には160万円にまで落ち込んだ。 財政の建て直しのため、3度にわたる事業仕分けを行い、費用対効果の低い事業は廃止。令和元年度から103項目に及ぶ緊急財政対策をスタートさせ、市民にもご協力をお願いした。こうした対策の効果もあり、令和3年度末の財政調整基金残高は12億円余りまで増加している。 市の借金にあたる地方債残高も、平成24年度末は320億円あったが、令和4年度末には254億円に減少する見込だ。 令和7年度には、これまで年間約4億円を返済してきた大型事業の地方債の返済も終了。下水道事業の地方債の償還も現在より年間2億円以上の減少が見込まれる。 一方で今後も人口減少による収入の減少も予想される。気を緩めることなく、危機感をもって収支改善を図り、さらなる財政の健全化を図っていかなければならない。 市民の協力による健全化であることを忘れることなく…。