2020.8 広報ちょうし10面 11面 銚子散歩を楽しむ 海の生き物の世界 コロナ禍でお出かけをためらいがちな今年の夏休み。ただ、気分転換にもなる自宅付近での散歩や軽い運動は健康な日常生活を送るうえでも必要です。 ふだん何気なく過ごしている身近な場所でも、想像力を働かせたり少し視点を変えたりするだけで、楽しみは無限に広がります。そこで提案するのが「銚子散歩を楽しむ」。今回は海の生き物を通して銚子の大地をテーマパーク代わりに楽しむポイントをお教えします。 不思議な生き物と出会おう 銚子の海岸は「磯」と「砂浜」の2つのタイプがあります。磯も砂浜も両方あるのは近隣のまちの中でも銚子だけ。そこにはそれぞれの環境に適応した不思議な生き物たちが暮らしています。 案内人 文化財・ジオパーク室 主任学芸員 岩本直哉/銚子ジオパーク市民の会の皆さん 犬吠テラステラス1階の銚子ジオパークビジターセンターでガイドとしても活躍中。10時から16時 注意  ●子どもだけで行かないこと。必ずライフジャケットを身につけましょう ●漁業権がある場所もあります。注意の看板があったら必ず従いましょう ●海にはカツオノエボシなど毒をもった生き物もいます。特に磯に入るときは長靴で。知らない生き物には絶対に触らないようにしましょう カツオノエボシ 打ち上げられた死体も危険 磯 磯の生物ミニ図鑑 ごつごつした岩場がある浅瀬が磯です。銚子には、古い時代の地層が顔を出しています。そんな古く硬い岩のある場所には磯ができます。利根川が陸の栄養たっぷりの水を運んでくる銚子の磯は生き物の宝庫です。 アメフラシ 体長は15cmほどの柔らかくうねうねした生き物。貝の仲間ですが、貝殻は進化の過程でなくりました。刺激を与えると雨雲のような紫の汁を出すのがその名の由来。 ウメボシイソギンチャク 岩場に張り付いて赤い梅干しに似たイソギンチャクの仲間です。潮が引いているときは触手をすぼめ、梅干しのように丸まっています。 ダイダイイソカイメン 鮮やかなオレンジ色で岩場に張り付いています。表面には噴火口のような穴がたくさん開いていて海水や排泄物を外に出します。柔らかいスポンジのような感触です。 これなーんだ?岩の上の黄色のなぞの細長いものはアメフラシの卵です。そうめんに似ているので「海そうめん」と呼ばれることも。 砂浜 砂浜の生物ミニ図鑑 岬と岬の間や流れが穏やかな場所に波や風で砂がたまった海岸が砂浜です。砂浜の周りには潮風が強い厳しい環境にも適応する海浜植物が群生しています。8月はハマゴウが見頃です。 ツメタガイ 巻貝の仲間でカタツムリに似ています。茶色くすべすべした貝殻が特徴。かわいい外見とはうらはらにアサリなどの大天敵で、貝殻に穴をあけて食べてしまいます。 カシパンウニ 平たい菓子パンや大きなビスケットあるいは円盤のような形をした変わったウニの仲間。1mmに満たないほどの短いとげで一面覆われています。 なぞの砂団子 砂団子の山と小さな穴があったらカニの巣穴です。砂団子は食事の跡。はさみで砂を口に運び、口の中がアワと砂でいっぱいになるとはさみでちぎってポイと捨てます。 これなーんだ?砂浜に茶碗をひっくり返したように落ちているので「砂茶碗」と呼ばれます。ツメタガイという貝が産卵のために作ったもので砂を粘液で固めた中に数万個の卵が産み付けられています。 環境のこと自分ごとに 海の豊かさ守ろう 銚子の海岸には不思議な生き物がいっぱいです。これは銚子の海が豊かな証拠。豊かな海を守っていくため、海洋ごみを減らすなど一人ひとりが海の環境づくり、豊かな海を育くむ森づくりに関心を持って行動しましょう。 8月スタート 屏風ケ浦シーカヤック ダイナミックな地球の躍動を海から眺めるツアー。 ・時 間 午前の部:9時30分から/午後の部:14時から(所要2時間、荒天中止、月曜定休) ・場所 銚子マリーナ海水浴場 ・対象 4歳以上。未成年は保護者の同意、小学生以下は保護者の同伴が必要 ・料金 4,290円 ・定員 8人(最少催行人員2人) 問い合わせ 株式会社TKS 電話0475-77-8028/銚子ジオパーク推進協議会(文化財・ジオパーク室) 電話21-6667 座学で知ろう 銚子ジオパーク講座 大地の歴史、自然、人の暮らしを知ってもっと銚子を好きになる各日2講座、全8講座。 ・日程 9月5日(土曜日)、12日(土曜日)、19日(土曜日)、26日(土曜日) 9時30分から12時40分 ・場所 勤労コミュニティセンター2階ホール ・参加費 全講座受講:1,000円/1日:500円 学生無料 ・申込方法 同事務局(地域交流センター内)、銚子ジオパークビジターセンター備付の申込書(ホームページからダウンロード可)に記入し当日までに提出 問い合わせ 銚子ジオパーク推進協議会事務局 電話21-6667