9月定例会の開会にあたり、ごあいさつを申し上げます。
コロナ禍で3度目の夏を迎えましたが、新型コロナの第7波が猛威を振るった夏となりました。
銚子市の8月の感染確認は2,379人人、1日平均77人で、100人を超える日が11日ありました。市民の皆さまには引き続き、3密の回避、人と人との距離の確保、効果的な換気、マスクの着用、手洗いなど、基本的な感染対策の徹底をお願いします。
コロナ禍や、原油価格・物価の高騰による影響を受けている農業者・漁業者を含む市内4千あまりの事業者に対して、一律5万円を物価高騰対策支援金として支給するため、事務費などを含め、約2億3,000万円の補正予算を今議会の補正予算案に計上しています。
本年10月から来年3月までの6か月間、学校給食費を無償化するための予算も計上しています。
洋上風力発電につきましては7月28日、全国協議会が設立されました。銚子市をはじめ、6市2町で構成する「全国洋上風力発電市町村連絡協議会」です。
東京でおこなった設立総会では、洋上風力発電と漁業の共生、洋上風力発電を活かしたまちづくりや地域振興を目指すことを確認しました。
今後は、特定の発電施設の設置地域に交付される「電源立地地域対策交付金」の対象に洋上風力発電を加えることなどを、共同で要望していく予定です。
8月9日には千葉県の熊谷知事が銚子を視察し意見交換を行いました。私からは、名洗港の整備について、地元市負担の引き下げを要望しました。
明るい話題としては、銚子市新生町の旧公正會舘が国の登録有形文化財として登録される見込みとなりました。7月22日に開催された国の文化審議会文化財分科会の審議・議決を経て、文部科学大臣に対して、登録有形文化財として登録することが答申されました。
大正15年(1926年)、ヤマサ醤油の10代濱口儀兵衛である濱口悟洞によって、社会教育事業を目的として建設された建物です。現在は、銚子市中央地区コミュニティセンターとして利用されています。
醤油醸造業が地域貢献の役割を果たしてきたことを示す、歴史的価値の高い建物で、建築物の継承とともに、その歴史と価値を伝えてまいります。
公民連携のまちづくりは、行政と民間がパートナーシップを構築し、互いの得意分野で力を発揮しながら事業を展開する手法です。銚子市のまちづくりの推進エンジンになるものです。
公民連携のまちづくりの推進に当たり、専門的な立場から助言をいただくために、無報酬の公民連携アドバイザー制度を新設しました。
まず、草加市自治文化部副部長の髙橋浩志郎氏を委嘱しました。髙橋氏は、公民連携手法を取り入れ、草加駅周辺市街地の活性化事業として「そうかリノベーションまちづくり」を手掛けておられます。民間からは、総合的なまちづくりに取り組む株式会社URリンケージの伊藤俊雄氏を委嘱しました。
公民連携アドバイザーは今後もう1人お願いする予定です。大いに意見交換をして手法を学び、銚子市の公民連携のまちづくりに活かしてまいります。
来年、令和5年2月11日、銚子市は市制施行90周年を迎えます。コロナ禍の状況を踏まえ、多くの人が集まるイベントや記念式典は行わないこととします。
なお、10周年ごとに行ってきた記念表彰につきましては、これまでの功績を称えるため、従来どおり実施したいと考えています。現在、選考基準を作成し、受賞者の選考を進めています。
名誉市民を推挙することにつきましても、選考委員会を設置して意見を聴きながら、手続きを進めてまいりたいと考えています。
令和3年度の一般会計の決算は、実質収支で約12億2,000万円の黒字を確保することができました。実質単年度収支でも約9億4,000万円の黒字で、財政調整基金も令和4年度末の現在高は約13億円を見込んでいます。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響や、原油高・物価高など社会経済情勢は極めて不透明な状況であります。気を緩めることなく行財政改革に取り組み、安定した財政運営を目指してまいります。
この9月議会には、物価高騰対策などを含む一般会計補正予算をはじめ、20議案を提案させていただきます。
慎重審議をお願いし、あいさつとします。
令和4年9月1日 銚子市長 越川信一