はじめに
12月議会の開会にあたり、ごあいさつを申し上げます。
台風21号による被害
10月23日に銚子地方を襲った台風21号。前日の22日には大雨により土砂災害警戒情報が出され、市でも災害対策本部を設置し対応に追われました。人的被害の報告は負傷者1名でしたが、市内各地で土砂崩れが発生しました。倒木などによる道路閉鎖も発生し、今も復旧作業を進めています。
大きな被害を受けたのが農業です。強い風がもたらした塩害は、銚子のキャベツ・ダイコンに約20億円の被害を及ぼしました。50年に1度の被害とのことです。台風の2週間後、東京で行われた銚子野菜連合会のキャベツ・ダイコン販売検討会議に私も出席しました。長島正会長は「どんなに文明が発達しても台風の進路を変えることはできない。嘆いても始まらない。何十年も畑を耕してきたプロとして、台風被害を取り戻すために精一杯の努力をしようじゃないか」と訴え、会場は熱気に包まれました。市も、千葉県とも協力しながらできる限りの支援を行い、エコで美味しい銚子の野菜の魅力を発信してまいります。
今議会に、台風被害の災害復旧経費の補正予算を追加で提案させていただく予定です。早期の復旧に向けて、ご理解とご協力をお願いいたします。
町内会連協懇談会
11月2日から16日にかけて、銚子市町内会連合協議会主催による懇談会が一中から旧八中まで8つの地区に分けて開かれました。8日間で200名を超える市民にご参加をいただきました。「人口減少問題」「洋上風力発電」「道路整備」「ごみステーションへのゴミの出し方」など、さまざまなご意見・ご要望を伺いました。
旧八中地区の懇談会では、「市の財政が厳しいことはわかった。市民に理解してもらえるように、正しい情報を知らせ、いいことはもっともっとPRすべき」との意見も伺いました。行財政改革や地方創生の事業など、情報をしっかりと伝えていくことの重要性を改めて感じました。
お試しサテライトスタジオ猿田小学校
3月に閉校となった旧猿田小学校で11月3日、公開レコーディングが行われました。銚子市出身のレコーディングエンジニアの山崎進氏が「お試しスタジオ」として利用を開始したものです。
旧猿田小学校では、一昨日の11月27日にも、県主催の「大学生による空き公共施設等活用方策提言会」が行われました。千葉大学と千葉工業大学の学生から、音楽やアニメ、アートなどクリエイティブ事業の拠点、農園と野菜マーケット、宿泊施設やサテライトオフィスといった提案がありました。柔軟な発想による興味深い提案を伺うことができました。積極的に空き公共施設の活用を進めていきたいと思います。
銚子市津波避難訓練と庁舎防災訓練
11月5日、第二中学校区を中心に津波避難訓練を実施しました。東日本大震災から6年半が過ぎ、改めて津波災害時の市民の避難行動や情報伝達などを検証しました。外川地区では、車いすを使った避難訓練も実施されました。高齢社会での地域の取組、共助の実践です。災害救助犬と千葉科学大学学生消防隊による救助救出訓練などもおこなわれました。
防災講演会では、岩手県遠野市のNPO法人元理事長佐藤正市さんから東日本大震災から得た教訓、被災者支援の取組について伺いました。
12月1日の本会議後に、庁舎防災訓練を行わせていただきます。議員全員が参加する訓練は初めてとなりますが、ご協力をお願いいたします。
銚子市国際交流協会の設立
11月20日、銚子市国際交流協会の設立総会が開かれました。Choshi International & Multiculture Association 愛称はCIMA(シーマ)と言います。銚子市には2千人を超える外国人が住んでいます。外国人観光客の姿も多く見かけるようになりました。海外への渡航も普通のこととなりました。市民有志が中心となって協議を重ね、今回の設立に至りました。地域に根差した国際交流の場が多く提供されることと期待しています。民間主導の取組を応援しながら、官民協働での活発な運営を目指していきます。
銚子市戦没者追悼式
11月25日、銚子市戦没者追悼式を文化会館で行いました。
戦後70年が過ぎ、ご遺族の出席者も年々少なくなってきています。そうした中で中学生が戦没者追悼式に参加し、平和への思いを語ってくれました。今年8月、広島平和記念式典に派遣された4名の中学生です。
平和な世界を実現させるためには、戦争の記憶を風化させることなく、語り継いでいくことが重要です。今後もこのような取組を続けていきます。
銚子市行財政改革審議会
11月15日、銚子市行財政改革審議会が開かれました。行財政改革の推進状況について議論いただきました。「職員は、市の財政状況が非常に厳しいという共通認識を持ち、職務にあたって欲しい」「スクラップ&ビルドは当然」「公共施設の見直しにスピード感が足りない」。こうした厳しい指摘をいただきました。
進捗状況をチェックいただく市民委員会を立ち上げ、市民目線で議論・評価いただきながら、行財政改革を推進してまいります。
銚子市国民健康保険運営協議会
11月28日、銚子市国民健康保険運営協議会が開かれ、冒頭、銚子市国民健康保険事業特別会計財政計画案を諮問させていただきました。平成30年度から県が国民健康保険の財政運営の責任主体となります。これに併せ、国民健康保険事業の財政の健全化と安定的な運営を確保できるよう財政計画案を作成し、運営協議会で議論いただきます。
銚子市総合計画
11月28日、第4回目となる銚子市総合計画策定「市民ワークショップ」を開催し、基本構想の骨子のたたき台となる案を示しました。時間軸(ライフサイクル)と空間軸(コミュニティ)と自治の視点からまちづくりを捉え、「分断状況(連携力不足)の克服」など、銚子市の課題を盛り込みました。計画実現の手法として、「行政がなすべきこと」「協働で行うこと」「市民にできること」の3つを基本に議論を深め、方向性を導き出していきたいと思います。
トップセールス
明後日、12月1日本会議終了後の午後から12月4日までの日程で台湾を訪問します。女子ソフトボール世界選手権アジア予選に参加する台湾チームの応援や野柳ジオパークの視察など、今後に繋がるよう積極的に銚子市をPRしてきたいと思います。今回提案させていただいた補正予算に必要経費を計上させていただきましたが、年明けの2月5日から8日までの日程で、タイ王国を訪問予定です。千葉県知事のトップセールスに併せて私も訪問します。銚子の水産物の輸出拡大、販路拡大のため、森田知事とともにトップセールスをしてきます。
結びに
今議会では、旧銚子西高校を活用して整備が進められているスポーツ合宿施設関係の経費として、地方創生推進交付金を活用した株式会社銚子スポーツタウンへの補助などを含む一般会計補正予算など10議案を提案させていただきました。
慎重審議をお願いし申し上げまして、あいさつといたします。
平成29年11月29日 銚子市長 越川信一