日本の領海のうち、その大半を占めているのは港湾区域や漁港区域などの指定を受けていない、いわゆる「一般海域」と呼ばれる区域です。
これまで、港湾区域での洋上風力発電事業については、港湾法に基づき、港湾管理者が発電事業者を公募することで、最大20年間(港湾法の改正により現在は30年間)の占用を認めることが可能でしたが、一般海域については、海域利用のための統一的なルールが定められていませんでした。
そのような中、国は、さらなる再生可能エネルギーの推進を目指し、一般海域での洋上風力発電事業の実施にあたって、海域の長期占用などを可能とする「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」を平成31年4月に施行しました。
再エネ海域利用法は、漁業者など海域の先行利用者との調整を図った上で、洋上風力発電事業を推進するための促進区域を国が指定し、公募によって選定した発電事業者に対して最大30年間の海域の占用を認めるものです。
銚子沖での洋上風力発電事業については、一般海域での実施を想定しているため、今後、この法律に基づき、国が主導する形で事業が推進されることとなります。
国は、都道府県に対し、洋上風力発電事業を推進するための「促進区域」の候補地に関する情報提供を呼び掛けるほか、発電事業者が保有する情報を収集します。
千葉県では、銚子市沖を促進区域の候補地とする情報提供を行いました。
国は、有望な区域ごとに、関係自治体や漁業団体などの利害関係者などから構成される再エネ海域利用法に基づく「協議会」を設置し、洋上風力発電事業の実施に関して必要な内容について協議を行います。
令和元年11月18日(第1回)、令和2年1月31日(第2回)および令和2年6月4日(第3回)と3回にわたって「千葉県銚子市沖における協議会」が開催され、地元漁業関係者や地元自治体の意見を踏まえつつ、発電事業実施にあたっての留意点などが協議会意見としてとりまとめられました。
第1回、第2回、第3回の協議会の詳細については、経済産業省のホームページをご覧ください。
国は、関係省庁との協議や関係都道府県知事、協議会などからの意見聴取を行ったうえで、促進区域を指定し、「公募占用指針」を策定します。
令和2年7月21日、銚子市沖が促進区域として指定されました。
国は、策定した公募占用指針を基に公募を行い、有識者から構成される第三者委員会の意見を踏まえつつ、長期的・安定的・効率的な事業実施の観点からもっとも適切な「公募占用計画」を提出した発電事業者を選定します。
令和2年11月27日、銚子市沖促進区域における発電事業者の公募が開始され、令和3年12月24日、三菱商事エナジーソリューションズ株式会社、三菱商事株式会社および株式会社シーテックを構成員とするコンソーシアム「千葉銚子オフショアウィンド」が発電事業者に選定されました。
選定された発電事業者は、公募占用計画に基づいて最大30年間の占用許可を受けるとともに、この計画に沿った発電事業を実施することとなります。なお、洋上風力発電設備の運転開始までには、環境影響評価手続や建設工事が必要となるため、促進区域の指定を受けた後、概ね6年から8年での運転開始となります。
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